山の手入れ
- tetsuya takeshima
- 2月16日
- 読了時間: 3分
更新日:5月16日
「森を守ることは、水と環境を守ること」

登場人物
A(農業に興味のある若者):農業について学び始めたばかり。
B(ベテラン農家):若手ながら長年の経験を持ち、伝統的な農法にも詳しい。
A:「ねえ、この前さ、お客さんに『ここの野菜ってどうしてこんなに味が濃いんですか?』って聞かれたんだけど、やっぱり森の力も関係してるのかな?」
B:「もちろん! 森を大切にすることって、農業にもつながるんだよ。森がしっかりしてると、水が豊かになって、土も守られるからね。」
私たちの農業は、ただ作物を育てるだけじゃなく、山や水と一緒に歩む農業。森を守ることが、結果的に美味しい野菜作りや持続可能な農業につながるんです。
森が水を育てる—湧き水の秘密
A:「そういえば、うちの畑の近くの川って、ずっと水が枯れないよね。」
B:「それ、実は森のおかげなんだよ。」
山の保水力が高いと、雨が降ったときに水をじっくりと蓄えてくれるんです。森の土はスポンジみたいな役割を果たしていて、少しずつ水を地中にしみ込ませ、やがて川や湧き水として流れ出してくるんですよ。
逆に、森が荒れてしまうとどうなるでしょう? 木が密集しすぎたり、枯れ葉が分解されないままになったりすると、土が水をうまく吸収できなくなり、大雨のときには一気に流れ落ちてしまうんです。すると川の水量が安定せず、干ばつや水不足の原因にもなるんですね。
森の手入れが、畑を守る?
A:「ってことは、うちが山の落ち葉を集めて腐葉土を作ったり、間伐した木を炭にして土に混ぜたりするのも、全部つながってるってこと?」
B:「そういうこと! 森を手入れすることで、土が元気になり、水も安定する。そしてその水が、農作物を育てるんだ。」
私たちは、森の落ち葉を使って土を豊かにするだけでなく、山の手入れをすることで水を守る活動もしています。健全な森林が育てば、雨水をしっかり蓄えて川の流れも穏やかになり、畑に必要な水も安定して確保できる。つまり、森を守ることが、そのまま農業を支えることになるんですね。
お客さんも「環境」を意識している時代
A:「そういえば最近、直売所や飲食店の人から『どんな環境で育った野菜ですか?』って聞かれること増えたよね。」
B:「うん。今は『ただ美味しい』だけじゃなくて、『どんな土地で、どんな方法で作られたか』も大事にする人が増えてるんだよ。」
有機農業や持続可能な農業に関心のある方が増えています。山の手入れが農業を支え、その農業が地域の人たちの食卓につながる——そんな循環ができたら素敵ですよね。
「森があるから、豊かな農業ができる」
A:「でもさ、こういう農業って、まだまだ一般的じゃないよね。」
B:「うん。でも、こういう考え方が広まれば、森も畑も、もっと元気になると思う。」
私たちの取り組みはまだ道半ば。でも、森の恵みと落ち葉などの伝統的な資源を活かしながら、持続可能で美味しい作物を育てたいと考えています。
森があるからこそ、豊かな農業ができる。そんな当たり前のようで見落とされがちなことを、もっと多くの人に知ってもらいたい。
A:「さぁ、そろそろ山に行って落ち葉を集めようか!」
B:「そうだね。森の手入れも農業の一部だからね!」
これからも、森と田畑がともに栄える関係を築きながら、一歩ずつ前進していきたいと思います!
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